2024年3月11日【ファンタジーではない「潰れない会社」のリアル(横須賀輝尚 経営コンサルタント)】横須賀輝尚の記事がYahoo!ニュースに掲載されました。

2024年3月11日【ファンタジーではない「潰れない会社」のリアル(横須賀輝尚 経営コンサルタント)】横須賀輝尚の記事がYahoo!ニュースに掲載されました。

■小さくても絶対に潰れない会社が持っている「差異」とは?

潰れない会社は強いビジネスモデルを持っています。もちろん、こういった構造だけでも強いのですが、構造だけだと他社との競争になってしまうことがあります。 そんな競争に強い会社が持っているのが、いわゆるその会社独自の「強み」です。USP(Unique Selling Proposition)ともいったりします。その会社にしかない製品。その会社にしかできないサービス。こういった強みがあると、 他社との競争になりにくく、また他社が参入しにくいいわゆる参入障壁をつくることができます。 と、一般論としての説明はこのような感じなのですが、解説し出すと一冊の書籍でもとても解説しきれないので、いくつか企業例を出しておきます。 (1)ダイソン USP…吸引力の変わらないただひとつの掃除機 (2)iPod(Apple) USP…“1,000 songs in your pocket.” 「ポケットに1,000曲のミュージックライブラリを」 (3)FedEx USP…“Safe, reliable overnight delivery for your important packages” 「お客さまの大切なお荷物を、安全に、そして1日で確実にお届けします」 USPとキャッチコピーの関係性などはちょっと説明しきれないのと、メインテーマから少し外れるので、またいつかどこかで。

■会社を潰させない経営者の条件─目立つ社長、目立たない社長─

会社を潰す社長の共通要素について考えてみると、詰まるところ会社経営が「私利私欲」なのかどうかが、分かれ目のような気がします。 自分のためだけにお金を稼ぎ、自分のためだけにお金を使う。人間の欲望とは恐ろしいもので、最初は謙虚で慎ましかった生活も、一度味を覚えてしまえばその欲は無限の広がりを見せます。虚栄心や見栄も暴走します。 だから会社のお金を私的に使うようになるし、多くの称賛を受けられるセミナー講師など、自分が目立つ場所を探すようになる。そして、SNS時代には「いいね」やフォロワー獲得のために「成功投稿」はどんどんエスカレートしていく。 結局、会社を潰さない社長というのはこの逆で、家族のため、社員のため、顧客のため、もう少し大きく言うと日本のため、そして世界のために会社を経営している人なのではないかと思うのです。 もちろん、社長によってそのスケールは違います。家族や社員を守りたいという社長もいれば、この国を救いたい、世界を平和にしたいなんてスケールの社長もいるでしょう。 そうなってくると、「理念」に立ち戻ることになります。「なぜ、その会社をやっているのか?」という問いです。この問いに、心の底からいえるパブリックなメッセージがある社長というのは、会社を潰しにくいのではないかと思うのです。 結果、最適化をすれば社長のプライドや虚栄心の優先順位は下がっていくはず。となれば、ビジネス形態にもよりますが、徐々に社長というのは目立たない存在になっていくのではないでしょうか。 もちろん、PR自体はいいことなのですが、それが売上に直結しているのかどうかが肝要です。本業そっちのけで、自分が目立つ仕事を率先して受ける経営者は、自分の虚栄心を制御できていません。チヤホヤされている社長より、地味で目立たない社長のほうが、会社を潰さない経営をしている可能性が高い、ということは言えると思います。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士

【プロフィール】

1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。

https://news.yahoo.co.jp/articles/584d28f95dd7ded4dfcbc21ee86de7c2a0a65b49